虫歯予防の強い味方として知られるフッ素(フッ化物)。実は2023年、国際的なガイドラインに合わせて、日本におけるフッ素の推奨濃度が大きく改定されました。これは私たちの虫歯予防習慣に大きな影響を与える、まさに「新常識」と言える変化です。
「フッ素って子ども向けじゃないの?」「濃度が変わると何が変わるの?」
そんな疑問をお持ちかもしれません。
この記事では、歯科医院の視点から、フッ素が虫歯予防に効果的な理由から、2023年の推奨濃度改定のポイント、そして年齢別に今日からできるフッ素の効果的な量を解説します。新しいフッ素の知識を身につけて、あなたも家族も、もっと虫歯になりにくい強い歯を手に入れましょう!
フッ素は、自然界に広く存在する元素の一つで、私たちの身近な飲食物(お茶、魚介類など)にも含まれています。歯の健康にとって非常に重要な役割を果たすため、「歯のミネラル」とも呼ばれています。
では、具体的にフッ素はどのようにして虫歯を防いでくれるのでしょうか?その働きは主に以下の3つです。
歯の表面にあるエナメル質は、食事のたびに酸によってミネラルが溶け出す「脱灰(だっかい)」と、唾液の力でミネラルが歯に戻る「再石灰化(さいせっかいか)」を繰り返しています。
フッ素は、この再石灰化を強力に促進します。歯をより硬く、丈夫にし、虫歯菌が作り出す酸から歯を守る抵抗力が高まります。
フッ素は、虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌など)の活動を抑制する効果もあります。虫歯菌が酸を作り出す働きを弱めることで、虫歯の発生そのものを抑えることができます。
ごく初期の虫歯(まだ穴が開いていない状態)であれば、フッ素の作用によって再石灰化が促進され、歯が自然に修復されることも期待できます。これは、歯を削らずに虫歯の進行を食い止めることができる、非常に重要な働きです。
これらの複合的な作用により、フッ素は虫歯予防において欠かせない存在となっているのです。
これまでの日本では、フッ素の安全性に配慮し、国際的な推奨濃度よりも低めに設定されていました。しかし、より効果的な虫歯予防を実現するため、2023年に厚生労働省が国際基準に合わせた推奨濃度への引き上げを発表しました。
この改定の最大のポイントは、歯磨き粉(フッ化物配合歯磨剤)に含まれるフッ素濃度の上限が大幅に引き上げられたことです。
【改定後(2023年1月施行)】
この改定により、私たちはより効果の高いフッ素製品を日常的に使用できるようになり、虫歯予防の効果がさらに期待できるようになりました。
フッ素は強力な味方ですが、虫歯予防はフッ素だけで完璧になるわけではありません。フッ素の効果を最大限に引き出すためにも、以下のポイントも実践しましょう。
2023年のフッ素推奨濃度改定による新しい知識を活かし、日々の歯磨き習慣にフッ素を上手に取り入れることで、虫歯になりにくい、強い歯を育てることができます。
特に、お子さんの歯が生え始めたら、ぜひ今日からフッ素配合歯磨き粉の使用を始めてください。乳歯も永久歯も、フッ素の力で守ることができます。
「どの歯磨き粉を選べばいいの?」「正しい磨き方や使い方を教えてほしい」
そんな疑問や不安があれば、どうぞお気軽に当院にご相談ください。患者さん一人ひとりの口腔内の状態や年齢に合わせた最適なフッ素製品の選び方、効果的な使い方を丁寧にアドバイスさせていただきます。
強い歯と健康な笑顔で、快適な毎日を送りましょう!
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すずらん歯科矯正歯科
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